9.08.2010

訳してみよう第1回:歯内療法学(露)

Следующий текст цитируется из Википедии от 8 сентября, 2010:

Эндодонтия (лат. endodontics) — раздел стоматологии, изучающий строение и функцию эндодонта(комплекс тканей,включающий пульпу и дентин,которые связаны между собой морфологически и функционально)методику и технику манипуляций в полости зуба при травме,патологических изменениях в пульпе,периодонте и по другим различным показаниям.Это наука об анатомии,патологии и методах лечения полости зуба и корневых каналов(эндодонта)

Конец цитаты

(訳)
歯内療法学(羅endodontics)とは口腔病学の一分野である。研究対象は歯の内部の構造や機能(すなわち歯髄や象牙質を含む、互いに結合し合っている歯の諸組織についての全般的な知識)、歯髄腔内における施術の方法論や技法(外傷、歯髄の病理的な変異、歯周炎その他さまざまな所見への対処としての)である。解剖学、病理学だけでなく、歯髄腔や歯根管の治療法にも関係する学問である。

原文の後ろの方にあるпериодонтеはпериодонтитеのミスタイプと思われる
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2年ぶりの更新…
とはいえ、またヘボ露作では続かんので、気が向いたときに翻訳、というところから再開してみます。

歯の神経=歯髄はパルプというようですね。パルプというのは果肉とか(骨に対する)肉、柔らかいものというのが基本で、ロシア語の場合は、粉砕した鉱物と水の混ざったもの、へどろ、などの意味もあるようです。製紙原料として字面しか知らんかった…

親知らずが沁みるので歯科へ。奥歯のひとつが虫歯になっていることまでは分かったものの、親知らずが邪魔になって治療できないとのこと。親知らずを取った上で治療してもらうことになりました。抜歯は口腔外科にお願いすることになるが、事前に患部の歯の神経を取るなど準備をしましょう、ということで、今日からちょっとづつ神経を取ってもらうことに(抜髄というそうです)。

目的:臼歯の虫歯の治療
工法:金属の冠を被せる、そのために親知らずの抜歯が必要
工期:一月と少し
工費:2万円前後
手順:
1.薬品で神経を少しづつ殺してゆく
  歯の神経は麻酔が効き難く、術後も痛むなど大変なので、
  別のフシギなお薬だそうです
2.関係する神経を殺しきったら抜髄
  今回の場合、予め神経を殺しておくと親知らずの抜歯も楽になるとのこと
3.冠を載せるための準備工事として患部の臼歯をある程度削る
  ここで冠をある程度造っておく
4.口腔外科にて抜歯
  最初は状況確認、2回目で抜歯
5.虫歯を治療し、冠を被せて完了

2 件のコメント:

さとう好明 さんのコメント...

しばらくぶりにブログを更新されたようで、今まで気がつかず失礼しました。和訳は手慣れたもので感心します。特に1行目「研究対象で」とロシア語のように一つの文におさめようとせず、別の文にして、短くするのは読み手にとって意味が明確になるという利点があります。初心者では訳の形式もロシア語と同じ外観にせねばと気張る結果、訳が日本語離れした異様なものなる場合が多々あります。初心者のみならず、翻訳で有名な原卓先生もこういう主義のようで、私は感心しません。気になる点を上げると、

1)「関連する」というのは「(歯髄や象牙質が相互に)結合している」というのではないでしょうか?

2)манипуляции(これは露露辞典によれば複数で用いられ、複雑な技法を指し、手さばきなどです)を「手術」としているのは意訳のような気がします。歯科の治療を手術とは呼ばず、せいぜい施術ぐらいでしょうし、この場合は「操作」ぐらいだと思います。

3)показанияを「現象」と訳していますが、露露辞典では医学用の意味として、
состояние организма или отдельный признак, указывающие на возможность, допустимость, необходимость какого-л. Лекарства, лечения, пребывания где-л.
ですから「所見」とでもしたほうがよいと思います。

4)корневые каналыを神経系と訳していますが、歯根管だと思います。

5)「またがる」という言葉は、一方から他方へかかるということで、両方の分野にまたがる研究というように使うので、三つだと、ここは素直に「~に関する」とした方が日本語として無難だと思います。

ようやくロシア語の勉強の時間が取れたようで、嬉しく思います。頑張ってください。 

以上   さとう識

コーシカ さんのコメント...

さとう様、さっそくコメントをいただきありがとうございます。お返事しなければと思いつつ、あっという間に一月が経ってしまい、ご無礼いたしました。
いつもながらご経験に基づく的確なご意見に感謝いたします。

1)「関連する」
歯の構造についての勉強不足です。「結合」に訂正いたします。
改めて辞書(研究社、岩波、オージェゴフ)を見ますと、связыватьにも統一、結合という意味が記載されておりました。結合はсоединениеやろ、と決め打ちしていたこともあります。

2)манипуляции
露露辞典(オージェゴフ、科学アカデミー版4巻本)を確認し、手術という含みはまったく見られませんでした。施術に訂正いたします。
手許の辞書の記述は以下のようなものでした:
Сложный прием, действие над чем-н. при работе ручным способом (книжн.).
(オージェゴフ、273頁、1988年)
Сложный прием, сложное действие над чем-л. при работе руками.
обычно мн. ч.(манипуляции, -ций).
Вообще ряд действии, движений (преимущественно руками), совершаемых с определенной целью.
(科学アカデミー版、第2巻、227頁、1983年)

3)показания
さとうさんが引用くださった記述が、科学アカデミー版にありました。
定義自体が面白い文だと思うので、次回のネタにします。

4)корневые каналы
これも1)связывать 結合 と同じく、勉強不足でした。
歯根管に訂正いたします。

5)「跨る」
言われてみれば「跨る」には、2者に亘る、という含みがあるように感じます。
訂正いたします。