6.22.2011

訳してみよう第11回~カプセル内視鏡

6月21日(火)晩のNHK露語ニュースより
Японские ученые разработали капсульный эндоскоп с дистанционным управлением, который можно перемещать внутри тела человека.
Диаметр эндоскопа - 1 сантиметр, а длина составляет примерно 4,5 сантиметра. Устройство снабжено плавником, который похож на рыбий. После проглатывания капсулы пациентом врачи могут передвигать ее внутри тела с помощью магнита.
Как сказал один из исследователей, всю пищеварительную систему человека можно будет проверить в течение нескольких часов, не причиняя сильного стресса. Он выразил надежду, что это приведет к раннему обнаружению рака и других заболеваний.

(コーシカ訳)
日本の学者たちが遠隔操作式のカプセル型内視鏡を開発した。人の体内に入れて[使用]できる。
内視鏡は直径1センチ、長さ4.5センチ。
[この]装置は魚のような鰭(ひれ)を持つ。患者がカプセルを呑み込むと、医師は磁石を用いて[内視鏡]を体内で移動させることができる。
研究者の一人によれば、人のあらゆる消化器を数時間で、[患者に]強いストレスを感じさせず調べることができる。彼は、癌やその他の疾病などの早期発見につながると期待している、と述べた。
--------------------------------------------
はい!今日は1時間しかないので訳が粗くてもこれで上げます!!
(明日早いもんで…)

何度聴いても全然分からなかったので、
今回はいきなり露文を当たって聴きながら照合し、その後で訳出
という方法を取りました。

..., не причиняя сильного стресса.
これはたぶん否定生格でしょうね。
患者という語がないのは直前で
После проглатывания капсулы пациентом
とпациентを使ってしまったのと、
胃カメラなど患者にとって大変なもの、という暗黙の了解から
省略されているのでしょう。

заболевание
病気にかかる、という意味の他に、
болезньの言い換えという意味があるようです。
болезньを使わずにそんな語をわざわざ持って来ているので
罹患という語を補いました。


6月23日にさとう好明さんからコメントをいただきました。
いつもありがとうございます。

1.заболеваниеの訳をただ「疾病」とだけに変更し、
 補っていた[への罹患]を削除しました。
2.「…につながる、と期待を言い表した」の表現を修正し、前後の文の表現を調整しました。
 будетが訳されておらんではないか、と言われそうですが、
 この装置は開発されたばかりで、これから[未来において]使用される
 という意味のбудетと思われるので、
 日本語表現の調整にあたってすっ飛ばしました。

2 件のコメント:

さとう好明 さんのコメント...

Заболевание = болезнь, недугですから、病(病気)という単語を何回も使うときに、同義語があればロシア語として同じ単語を繰り返さなくて済むというだけなので、疾病はともかく、(その罹患)というのは訳としてはどうかとおもいます。

気になったのは、最後の「期待を言い表した」でこういう表現を日本語ではしないでしょう。硬い言葉で書いたとしても、「期待を表明した」で、訳語の日本語の文体から考えれば、期待していると述べたぐらいだと思います。全般的にきれいな日本語です。だからこういう表現が非常に目立つのです。

今回とは関係ありませんが、一般的に露文和訳の訳語のチェッカーをするときには、日本語の乱れを見ればいいのです。そこが誤訳されている可能性が高いというのは私の経験から言えることです。

以上   さとう

コーシカ さんのコメント...

いつもありがとうございます。

заболеваниеであそこまで言うのは行き過ぎでしたか…
修正しておきます。

>期待を言い表した」でこういう表現を日本語ではしないでしょう。
>硬い言葉で書いたとしても、「期待を表明した」で、
>訳語の日本語の文体から考えれば、期待していると述べたぐらいだと思います
ありがとうございます。
日本語として不自然というのは良くないですものね。
最近心がけているのは、原文に再翻訳できる和訳、で
極力意訳にならないようにしています。

>一般的に露文和訳の訳語のチェッカーをするときには、
>日本語の乱れを見ればいいのです。
>そこが誤訳されている可能性が高い
なるほど~こんな見方があるのですね。
これならさっと目を通して訳の質を判定できますね。

よほどハチャメチャな意訳をする人以外は
(向こうで暮らして「口語に自信あるよ!」という耳だけで勝負!な人ほどそういう傾向があるように感じます)、
日本語の表現がぎこちない所ほど苦戦していた、というのが目に見えますものね(みな通る道ですし)。

英語等の他の言語の和訳の確認においても応用できる知恵ですね。
ご経験に基く貴重なおことば、感謝いたします。

それでは