6.27.2011

訳してみよう第12回~認知症に新薬

なんか久々の投稿、という気がします。

6月26日(日)晩のNHK露語ニュースより:
Крупные японские фармацевтические фирмы начинают продажи новых медикаментов против умственного снижения, так как в стране вместе с ростом числа пожилых людей происходит увеличение числа случаев этого заболевания.

В Японии, по сообщениям, насчитывается более 2 миллионов человек, которые страдают от старческого слабоумия, вызванного болезнью Альцгеймера. Их число, как ожидается, возрастет.

(コーシカ訳)
日本の大手製薬会社数社は認知症用の新たな医薬品の販売を開始する。国内での高齢者数の伸びに従い、この疾患の症例数も増加しているためである。
発表によれば日本では200万人以上が、アルツハイマー病によって引き起こされた老年性認知症を患っているという。その数は[今後も]増加してゆくと予想される。


медикаментが医薬品というのは
研究社だけに書かれていました
(研究社924頁:лекарствоおよび類語、985頁:медикамент)。
露露も見ましたがそこまで判別できる要素は見当たらず。

ひとしきり認知症で訳しましたが、
どちらが抵抗なく使えるんでしょうね。

前にさとうさんが、「目の不自由な人」を何と訳したものかについて書かれていた折、
слабовидящие и незрячиеでよい、とありました。
これから推すと、слабоумие?
…う~ん、かなり失礼やと思うけど
умственное снижениеちゅうのもねぇ…
6月30日(木)にさとう好明さんよりコメントをいただきました。
ありがとうございます。

Слабоумиеは痴呆ということですから、認知症でよいと思います。
日本語は同じ単語を何度繰り返しても別段問題ないと思いますから単語を変える必要はないと思います。


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工業英検2級の結果が来ました:乙種合格です。
試験当日にバセドウで手が震えやがりまして、
書いては消し、消しては書きを繰り返すうちに、終了。
15問ほどあった小問を5~7問残して時間切れになりました…
(2文を1文にし、重要語の下に線を引け、という類の問題です)

でも、大問3つはしっかりできとったということかな:
英文和訳(50語くらい)、100字くらいの和文を50語程度の英文に要約、
和文英訳(100字くらい)の3品です。
それとも
ただ単に合格ラインがかなり低かったんか
(けどあの試験は合格者なしもありうる形式の筈やけどな)

ま、下位でもなんでも合格には違いありません。
これからもいつもどおりやるだけです。
英露語ニュースを聞いて訳して、
時期がくれば工業英検1級に挑戦します。

受けた感じでは、工業英検2級は英検準1級とレベルが近いように感じました。
ということは、今なら英検準1級も狙えるかも

2 件のコメント:

さとう好明 さんのコメント...

工業英語検定合格おめでとうございます。これで1級に合格すれば、今後技術ロシア語を究める上で大きな力になると思います。

さて今回の、медикаментыは複数だけの名詞で、訳はその通り医薬品です。つまり薬を硬く言った表現です。Лекарствоと同義で、同じ単語を繰り返したくないときに使えます。Средствоも薬ですが、この単語は手段という意味もあり、多義ですから薬というときにはлекарствоのほうが多く使われると思います。それと他にпрепаратという言葉は製剤という意味で、調合された薬剤(つまり漢方薬などは入らず)、таблетированные препараты(錠剤)などのような使われ方をします。
気になったのはкак ожидаетсяの訳です。「予想通り」というのは日本語では「予想通り~であった、展開である」という感じで使われ、未来(いかに著者が確度の高い未来であると確信を持っていても)で使うのは、預言者ではないのですから、どうかなと思います。「予想では」ぐらいではないでしょうか?あるいは、「増えてゆくと予想される」ぐらいかなと思います。
「この疾患の症例の増加」というのも何か舌足らずのような気がします。Числоを訳し忘れているのではないでしょうか。「この疾患の症例数が増加している」としたほうが「増加が進行している」より日本語らしいと思います。
Слабоумиеは痴呆ということですから、認知症でよいと思います。日本語は同じ単語を何度繰り返しても別段問題ないと思いますから単語を変える必要はないと思います。技術関係(特に化学)の和訳では一つの訳をある単語に使ったら、同じ訳語で通さないと別の意味で取られる可能性があります。

以上 さとう

コーシカ さんのコメント...

お返事が遅くなりました:コメントをいただいたのは6月30日(木)です。この週末は仕事で県境を越えて出かけておりました。

>工業英語検定合格おめでとうございます。
ありがとうございます!
次は1級合格を目指すと同時に、訳す内容の方を日本語で掘り下げていかなければ、と思う今日この頃です。
自分が興味があって現状ある程度知っているのは機械、金属などですね。
翻訳ジャーナルでしたか、翻訳業界の雑誌を見ると、こういった分野はここ数年の不況で下火になってしまっているようです。
とはいえ、金融や法律、コンピュータなどはいくら市場が大きいと言われても興味もないですし、
生活に困らない程度以上に知ろうという気になれません…
ぼちぼちやります。

いつもコメントありがとうございます。
медикаментыは今回初めて見ました。複数だけなのですね。
医薬品というのはカテゴリでもあるゆえに一つではありえない、という発想なのかもしれませんね。
薬と言うと真っ先に思い浮かぶのはлекарствоの方です:初めて訪露した際に目にしたからかもしれません。
средствоで薬と言うのは前にさとうさんのブログで見た気がします(帯研でしたか)。
手段という方が先に出てくるので、薬という意味で使えるのは未だに不思議な気がします。
лечебные средства ないし медицинские средства が縮まったと思えば何となくわかりますが…
препарат は広く薬品、という感じですね。化学薬品等、口に入れてはよくない物も入ってきそうです。
漢方薬は препарат に入らない、ということは лекарство の守備範囲になりそうですね:
Вещество, применяемое для лечения или предупреждения болезни.(科学アカデミー2巻173頁、лекарство)

>気になったのはкак ожидаетсяの訳です
ありがとうございます。
仰るとおり「増えてゆくと予想される」が日本語としても自然なように感じますので、そちらに訳を変更させていただきます。

>「この疾患の症例の増加」というのも何か舌足らずのような気がします。
>Числоを訳し忘れているのではないでしょうか。
あっ!しまった…
ご提案いただいた「この疾患の症例数が増加している」に修正します。

ありがとうございました。