6.28.2011

訳してみよう第13回~炭素繊維を自動車に

この投稿は7月3日(日)晩に行いました。
早くも日本語ニュースのリンクが消滅しています!びっくりびっくり
Вести.ruやったらアホみたいに長いことリンクが生きとるのに…

さとうさんのところで傘の骨その他が話題になったことがあります。
ではFRPの繊維はどない言うんやろ、と考えておりますと
ちょうどそんな内容のニュースがありました。

6月27日(月)晩のNHK露語ニュースより
Стремясь сэкономить энергию и предотвратить глобальное потепление, производители автомобилей разрабатывают более легкие и экономичные в плане топлива машины.
Автокомпания из Германии Daimler и японский производитель текстильной продукции Toray разрабатывают автомобильные компоненты из углеродного волокна, которое применяется в авиации, судостроении и спортивном инвентаре.
Daimler и Toray планируют начать использовать компоненты из нового материала в дорогих моделях автомашин в течение следующих 3 лет.
Другая автомобилестроительная компания из Германии BMW также изучает способы применения углеродного волокна для облегчения веса своих электромобилей.

(コーシカ訳)
何とかエネルギーを節約して地球温暖化を防止しようと、自動車メーカ各社はより軽くさらに燃費の良い自動車を開発している。
ドイツの自動車メーカのダイムラーと日本の繊維メーカの東レは炭素繊維製の自動車部品を開発している。[炭素繊維は]航空機や造船、スポーツ用品などに利用されている。
ダイムラーと東レは[この]新素材を使った部品を今後4年の間に高価格帯の車種にて使用し始める計画である。
ドイツの別の自動車メーカのBMWも炭素繊維の利用法を研究している。自社の電気自動車の重量を軽減するためである。


うむ
今回は出だしで迷いました。

1. стремиться
(あ、この子はこう見えて不完了体で完了体はないそうです)
(стремляться とかやったらあきませんよ。え、僕だけ?)
стремиться +不定形の場合
後に来るのはどうやら完了体が多いようなのですが、
裏を取ろうにもうちではそこまで分かりませんでした…
ただ、辞書の例文は完了体のみ載せられています。
(研究社2,256頁、科学アカデミー4巻287頁)
(岩波、ЗиРには不定形での例文なし)
ほな、なんで完了体だけなん?と考えてみると
 ・指向(志向でも可?)するからには目標は具体的なはず
 ・達成に向けて努力している最中なので未来
ついでにこの子が不完了体しかないのはなんで?も考えると
 ・ある目的の達成に向けて邁進している最中(つまり過程)だから
以上、自分なりにまとめてみました。
もっと突き詰めて考えたい人はこちら

2. в плане чего
文脈と辞書を何度見比べたか…
どうやら燃費の面で、という意味で使われておるようです。
堅いっ!
どうせ副動詞使うんやったら
Для того, чтобы эффективно сэкономить энергию и предотвратить глобальное потепление, производители автомобилей разрабатывают более легкие машины, учитывая экономию топлива.
とやった方が分かりやすいやろ!
でもおかげで экономика と экономия の違いがよりはっきり理解できました:
前者はそのものズバリ経済、後者は節約という意味の経済。
それぞれ形容詞は экономический と экономичный となるようです。
上方落語に『始末の極意』という演目がありますが、あれを露訳したとすれば
Секрет экономии ないし Что такое экономия? とでもなるのでしょう。

3. в течение следующих 3 лет
モスクワとかペテルブルクの地下鉄では
 Осторожно, дверь закрывается. Следующая станция ...
 扉が閉まります、ご注意ください。次は…です
と車内放送があります。
当然、今まさに出発しようとしている駅は含まれておらず、
今いる駅から見て次の駅ですよ、
という「次」を表わす следующий がなんで使われとるんやろ?
なんで последующий やないんやろ?と思って辞書を引くと、
следующий は(ある人・事物を基準にして)その次の
последующий は(ある時またある出来事を基準にして)それ以後の
(岩波1,787頁、следующий)
とありました。危ねぇぇぇ
ちゅうことは今年を入れずに来年以降3年のうちに、いうことやんか!

2 件のコメント:

さとう好明 さんのコメント...

7月4日(月)にさとう好明さんより下記コメントをいただきました。

В плане + 生格で「~の面(分野)で」ないしは、実現、発展の方向を示すп
риに近い用法です。

Мы недеемся, что разговор останется в пла
не чисто дружеских уговоров.(話が純粋に友好的な説得
という面にとどまることを願っている)、В плане подготовки к
конгрессу поднимались жгучие вопросы.(会議
の準備の際に喫緊(焦眉)の問題が持ち上がった)

こういう前置詞句はСловарь эквивалентов слова, Рог
ожникова, Русский язык, 1991のような辞典でない(薄い辞典
で、1200ぐらい載っています)と載っていないでしょう。

コーシカ さんのコメント...

いつもコメントいただき、ありがとうございます。
見ていただいていると思うと張り合いが出ます。

>В плане + 生格で「~の面(分野)で」ないしは、
>実現、発展の方向を示すприに近い用法です
例文まで引いて下さり、ありがとうございます。
そんなガチガチに堅い言い方、という訳でもないのですね。
書き換えのネタとして覚えておきたく思います。