12.08.2010

訳してみよう第3回~わざとやろ?(ロシアのニュースより)

金星探査機「あかつき」の周回軌道への投入はやはり失敗。
交信途絶、非常事態を伝える朝7時のニュースを客先へ向かう車中で聞き
(今日は遠出やったんです!)、
あるいは、と覚悟はしておりましたが…
しかし
なんであんなええ(?)タイミングで交信が途切れるかな。
機嫌よく逆噴射かけた数分後て
「ドリフの惑星探査」ですかよ、ほんまに…
いやいや、蓮舫の呪いですわ

あ~あ、また科学技術予算削られるわいや
人材と技術しか資源無い国やっちゅうのに…

沈む一方で
ロシアのニュースでも取り上げられとるかな?
www.vesti.ru/





ん?
んん!?
もっと面白そうなニュースがあるやんか!

といったところで、本日のお題でございます。

出典:www.vesti.ru/~2010年12月8日のニュースより
08.12.2010 13:47
Маневры Японии и США прерваны из-за российских Ил-38

Японские и американские морские подразделения приостановили учения, которые проходят в Тихом океане. По данным Минобороны Японии, в районе маневров были замечены два российских Ил-38.

В свою очередь, в Минобороны РФ заявили, что самолеты морской авиации Тихоокеанского флота находились в зоне своей ответственности и правил использования воздушного пространства не нарушали.

(訳):NHKのテレビニュース風に訳してみました
日米軍事演習 ロシア軍のIl-38により中断
日米の海軍部隊は、太平洋上にて実施中の合同軍事演習を一時中断しました。日本の防衛省の資料によると、訓練海域上にロシア軍のIL-38[哨戒機-訳註]が確認された[ためです]。
一方ロシア連邦国防省の発表によりますと、太平洋艦隊の航空隊[に所属する機体]のうちの2機が当該空域において任務に就いていたが、空域の利用に関する法規には抵触していない、ということです。


単語と表現
1. манёвры(複) ,учения(複) 軍事演習
 манёврには機動、陽動といった意味もあり、ほぼ軍事用語
 ученияは呼んで字の如く。でも意味の広い語ですね。
  (脱線)обучатьやと職業訓練なんかの意味合いが出るで、
     と、さとうさんに教えていただいたのを思い出しました。
     改めて辞書(研究社)を引くと、
     音楽や交通法規、仕事の手順など、
     体系だったものを身に付けさせるために順を追って教え込む、
     という含みがあるように理解しました。
     科学アカデミー版(4巻本)の定義は下記のとおりです:
     Сообщить, прибить кому-л. какие-л. знания, навыки

2. подразделение 《軍》支隊(連隊の中の大隊、中隊の中の小隊などなど)
 軍の一部、という意味合いを出すために
 この語を引っ張ってきたんやろう、と踏んでます。
 日本語風にЯпонский и Американский флотとやると
 ロシア語としては、"日米両国が海軍の全兵力を"
 演習に注ぎ込んでいるように聞こえるのでしょう:
 どんな演習やねん(笑)。

3. правила использования воздушного пространства
 「空域の利用に関する法規」と訳しましたが、正確ではないと思います。
 恐らく公空域(公海の上の空)の利用に関する国際条約みたいのがあって
 (ジュネーヴ条約?)、
 それのことを言うとるんやろうと睨んでます。

参考:同じ件を扱ったNHKのニュース
ロシア機接近 日米演習一時中断
12月8日 8時49分
自衛隊とアメリカ軍との共同演習が行われている日本海上空の空域に、6日、ロシア軍の哨戒機が接近し、訓練が一時、中断されていたことが分かりました。

自衛隊とアメリカ軍は、今月3日から日本とその周辺の海域や空域で共同統合演習を行っています。防衛省によりますと、このうち能登半島沖の日本海上空の訓練空域に、6日午前、ロシア軍のIL38哨戒機2機が進入し、数時間にわたって飛行したということです。この空域では、この日、日米のイージス艦が弾道ミサイルへの対処をしているところに戦闘機が攻撃を加えてきたという想定で訓練が行われていました。しかし、そのまま続行すればロシア軍の哨戒機にレーダーの周波数帯など機密性の高い情報を収集されるおそれがあったため、この訓練を一時、中断したということです。大規模な演習の際に他国の軍用機などが情報収集や偵察を行うことはありますが、防衛省によりますと、今回のように訓練空域の中にまで進入してくるのは異例だということです。

10.27.2010

訳してみよう第2回:露露辞典показанияの定義4

手抜きにしか見えませんが…
さとう好明さんが前回の投稿にコメントを下さいました。
お返事せなあかんな、けど返事するからにはきちっと調べてからやないと悪いな…
と考えるうちに一月が経ってしまいました(さとうさん、申し訳ありません)。

いただいたコメントは従来どおり、前回投稿の修正時に公開しております。
その中の4番目、показанияの和訳は「所見」くらいでしょう、というところで、科学アカデミー版露露辞典の定義を引用して説明下さっています。
その定義の文が興味を引いた(というよりよく分らん)ので、今回はそれをお題にしてみました。

мед. Состояние организма или отдельный признак, указывающие на возможность, допустимость, необходимость какого-л. лекарства, лечения, пребывания где-л. противоп. противопоказание.
ソ連科学アカデミーロシア語研究所編『ロシア語辞典』、第3巻、273頁、モスクワ、1983年

(訳)
医.器官の状態ないし個々の兆候で、なんらかの投薬、治療、滞在[訳注―入院や転地療養を指すと思われる]が可能であり、許容され、かつ必要であることを示すもの
反意語.禁忌

拙訳に文意の取り違いがあるであろうことを差し引いても、この定義では、手の施しようのない末期的な症状を表せないようにも感じます。
それともвозможность, допустимость, необходимостьのだんご3兄弟は、
いかなる深刻な状態とはいえ患者の生命がまだ保たれている以上、回復のためのあらゆる可能性を医者であれば探るはず、という意味合いで書かれているのかもしれません。

9.08.2010

訳してみよう第1回:歯内療法学(露)

Следующий текст цитируется из Википедии от 8 сентября, 2010:

Эндодонтия (лат. endodontics) — раздел стоматологии, изучающий строение и функцию эндодонта(комплекс тканей,включающий пульпу и дентин,которые связаны между собой морфологически и функционально)методику и технику манипуляций в полости зуба при травме,патологических изменениях в пульпе,периодонте и по другим различным показаниям.Это наука об анатомии,патологии и методах лечения полости зуба и корневых каналов(эндодонта)

Конец цитаты

(訳)
歯内療法学(羅endodontics)とは口腔病学の一分野である。研究対象は歯の内部の構造や機能(すなわち歯髄や象牙質を含む、互いに結合し合っている歯の諸組織についての全般的な知識)、歯髄腔内における施術の方法論や技法(外傷、歯髄の病理的な変異、歯周炎その他さまざまな所見への対処としての)である。解剖学、病理学だけでなく、歯髄腔や歯根管の治療法にも関係する学問である。

原文の後ろの方にあるпериодонтеはпериодонтитеのミスタイプと思われる
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2年ぶりの更新…
とはいえ、またヘボ露作では続かんので、気が向いたときに翻訳、というところから再開してみます。

歯の神経=歯髄はパルプというようですね。パルプというのは果肉とか(骨に対する)肉、柔らかいものというのが基本で、ロシア語の場合は、粉砕した鉱物と水の混ざったもの、へどろ、などの意味もあるようです。製紙原料として字面しか知らんかった…

親知らずが沁みるので歯科へ。奥歯のひとつが虫歯になっていることまでは分かったものの、親知らずが邪魔になって治療できないとのこと。親知らずを取った上で治療してもらうことになりました。抜歯は口腔外科にお願いすることになるが、事前に患部の歯の神経を取るなど準備をしましょう、ということで、今日からちょっとづつ神経を取ってもらうことに(抜髄というそうです)。

目的:臼歯の虫歯の治療
工法:金属の冠を被せる、そのために親知らずの抜歯が必要
工期:一月と少し
工費:2万円前後
手順:
1.薬品で神経を少しづつ殺してゆく
  歯の神経は麻酔が効き難く、術後も痛むなど大変なので、
  別のフシギなお薬だそうです
2.関係する神経を殺しきったら抜髄
  今回の場合、予め神経を殺しておくと親知らずの抜歯も楽になるとのこと
3.冠を載せるための準備工事として患部の臼歯をある程度削る
  ここで冠をある程度造っておく
4.口腔外科にて抜歯
  最初は状況確認、2回目で抜歯
5.虫歯を治療し、冠を被せて完了