5.06.2020

緊急地震速報

5月5日(火)、また地震がありました。今度は夜中に緊急地震速報が鳴り、幸い大したことにはなりませんでした。NHKのニュースを見ながらロシア語コミュニティに要約を書き込みますと、人騒がせな緊急地震速報め!というようなコメントがそれなりにつきました。
まぁ気持ちは分かります。とは申せ、日本は災害大国。地震・雷・火事・親父…いや、親父は最近大したことなくなっちゃってますが、台風や洪水などですね。1年を通じて災害には事欠きません。速報のあの音は確かに恐い。けど、被災して怪我したり死ぬことを思えばマシです。特に今は、コロナコロナで病院がアテにならないんですから…

Напомним. Сейчас ни больницы ни поликлиники не могут принять пострадавшие от последствий стихийного бедствия. Их душат коронавирус и власть. Защитите себя с помощью всякого рода средств в том числе тревоги у мобильного телефона.

Было землетрясение возле Токио в 2 часа ночью по местному времени.
Опять сработало экстренное предупреждение о землетрясение. Слава Богу, серьезного ущерба не был зафиксирован. Это не означает, что у системы предупреждения есть недостатки по точности. Сама система сработала адекватно и в этот раз, а лишь последствие оказалось пока не так разрушительным.
Давайте вспомним известную басню Эзопа про мальчик, который кричал "Волк!". Хотя он обманывал других не раз, в конце концов волк пришел и нанес урон. А Япония же состоит из вулканов. Поэтому здесь ежедневно произойдет землетрясение. Иногда бывает сильный толчок как в 11 марта, 2011.
Мы можем либо пренебречь тревогой либо откликнуться на нее. Выжить или погибнуть. Все зависит от каждого из нас. Не забывайте. Мы живем в Японии, где постоянно идет Выставка-ярмарка стихийных бедствий. Здесь уже фронт. Здесь идёт война.

5.05.2020

日本におけるCOVID-19感染拡大を受けた政府から中小企業への対応について

正にそれが狙いなのでは😓…? ソ連の農業集団化を思い浮かべました。
「現在の政策は、日本の中でたった10%しかないECでものを買えといっているわけだから、90%の人に対して「死になさい」と言っているのと同じだ」。
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(1) 1930年代のソビエト連邦で強行された農業集団化には、色々な側面があったようです。
①重工業化:穀物輸出によって得た外貨で機械設備を買って重工業を発展させる(ひいては軍用品の国産化も)
②反宗教闘争:農村に根ざす正教会の根絶(ロシア語ではクレスチヤン(крестьян)が農民を意味する程に農民の間ではキリスト教が根付いていたと読んだことがあります)
③敵対階層・民族の抹殺:ウクライナにおけるホロドモール(голодомор 人為的大飢饉)やソ連当局に敵対的な人に「富農」のレッテルを貼って抹殺する等。
(2) 現代日本経済においては、各産業がグローバルに戦えるだけの体力を蓄えるため、中小企業を統廃合して大きくて力のある企業にしないといけないという意見を、様々な機会に耳にしています。あるいはコロナを機に、それを既成事実化しようとしているのでは。
クレムリンが現場からの悲痛な叫びを握りつぶし、もってソ連を、一大工業国ドイツとの戦争に勝利せしめ、その後は核を持つ超大国としてアメリカと対峙せしめるほどの大国に生まれ変わらせたあの"サクセスストーリー"を我らも!などと考えてはおるまいな…

https://diamond-rm.net/management/55488/

5.02.2020

ベラルーシの病床・人工呼吸器の数

5月2日現在、国営テレビ「ベラルーシ第一チャンネル」によれば、同国では現在18600床がCOVID-19および肺炎の患者用に割り当てられており、そのうち12800床が使用中。ベラルーシ全体の病床数は約80000床。人工呼吸器は全国に2257台あり、これ以外に吸入麻酔用の機器も予備として活用することができる。
また同チャンネルでは、国民議会共和国院(上院)ナタリア・コチャノヴァ議長の発言として、ミンスク州内の複数の地域の病院へのCT設置が検討されている旨報じられた。
(5月2日19:36ニュースサイトTUT.BY

https://news.tut.by/society/682946.html

ベラルーシ情勢(COVID-19を巡る対応に対する内外の評価:シンクタンクBelarus Security Projectアンドレイ・ポロトニコフ代表)

1 他国のベラルーシに対する見方について
(1)ベラルーシは今や、地政学的な点で取っ手のないスーツケースのよう。ロシアにとって持ち運ぶのは大変ながら、今捨ててしまうのはまだ惜しい。
(2)中国はベラルーシに関心なし。
(3)西側にとって重要な点は一つだけ:介入が必要になる問題がベラルーシから生じないこと。

2 ルカシェンコ大統領のCOVID-19への対応
(1)ルカシェンコ大統領は、人間を経済のための消費財として見ており、人間は経済そのものであるということを未だに理解していない。
(2)同大統領は、かつては単なる独裁者として見られていたが、事実や科学的な結論に基かない、明らかに間違っている自らの見方のために、何百万人もの人の命や健康を危険にさらしていることから、今や為政者として全く不適格と認識されている。このような人間と話し合って合意などできない。同大統領は、将来において外交を行うための可能性を自ら切り捨ててしまっている。同大統領のCOVID-19への対応は、ロシアとも西側とも、厳格な隔離措置を講じた中国とも相反するものであるため、あらゆる方面での外交の見通しが厳しいものとなっている。

3 軍事パレードについて
(1)パレードが実施される可能性は9割以上。同大統領は舞い上がってしまっており、客観的な現実へと引き戻せる者は、周りに誰もいない。
(2)COVID-19への対応を巡り、ベラルーシ国内において同大統領の評判は悪くなっている。今や世界においても、強権的だが成果を出し、ロシアと渡り合うことのできる独裁者というイメージが崩れ、現実を見ていない変わり者の為政者というイメージが強くなっている。
(4月29日付ニュースサイトNaviny.by(ベラパン通信)の論評記事からの要約)

https://naviny.by/article/20200429/1588175229-vyzov-miru-korona-grozit-sokrushit-vneshnepoliticheskiy-imidzh

4.30.2020

EU:支援の提供にあたり、ベラルーシに対してWHOの勧告の履行を要求

(1) 4月30日、ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、ベラルーシ当局が世界保健機関(WHO)と緊密に協力していると承知しており、さらに多くを行う必要があるとも承知している旨述べた。その上で同上級代表兼副委員長は、EUからベラルーシの医療システム強化のために拠出予定の6000万ユーロに関し、「我々EUは援助を行うと提案している。他方、感染対策に関するWHOの勧告を遵守するようにも求めている。一方で援助を提案しておきながら、他方で、EU各国で実施していて誰に対しても履行を求めている勧告を履行しないでいるというようなことはできない」と述べた。
(2) 4月8日から11日にかけ、WHOの調査団がベラルーシを訪問し、ソーシャルディスタンスの強化を中心とした全般的かつ複合的な戦略の導入を勧告した。特に、あらゆる大規模行事の中止、テレワークおよび遠隔での授業への移行、生活上欠かせない業種を除く組織・企業等の活動停止を求める内容。

https://news.tut.by/economics/682828.html

ベラルーシの軍事評論家:パレードは実施される

4月27日、儀仗隊による軍事パレードのリハーサルが中止された。29日の晩に予定されていたリハーサルも、直前で中止された。
これに関し、ベラルーシの軍事評論家アレクサンドル・アレシン氏は、ここ数日の感染拡大を踏まえ、パレード前に参加部隊が感染してしまわないよう、全体で集まって行うリハーサルを避けているだけである旨コメント。同評論家は、「パレードは必ずや行われる。…ルカシェンコ大統領は自分の立場に自信を持っており、自分は全てにおいて正しく行動していると信じて疑わない。同大統領にとってパレードの中止とは、国際社会が注目する中で権威を失うということなのである」と述べた。

https://belsat.eu/ru/news/net-repetitsii-ne-budet-i-parada/

露中、ベラルーシの軍事パレードに参加せず

4月30日、ガヴルシク国防省報道官は、現時点で5月9日に予定されている軍事パレードに関する変更はない旨述べた。また同報道官は、世界における疫学的状況に伴い、ロシア連邦と中国が、ミンスクでのパレードに自国の兵員を派遣しない決定をしたとも述べた。
https://news.tut.by/society/682794.html

4.24.2020

ベラルーシでCOVID-19対策チャリティ腕時計の発売開始

ミンスク時計工場「ルチ(Luch)」が、新しい腕時計を発売のモデルの売上は全てベラルーシ保健省によるCOVID-19対策基金に寄付される。 
この腕時計の文字盤には、ベラルーシ語で「わたしからCOVID-19対策に当たるお医者さまへのサポート」という意味の刻印が施されており、裏面には17の言語で医療関係者に対する感謝の言葉が記されている。価格は69ベラルーシ・ルーブル(約3000円)。
Watch to support fight against COVID-19
23 April, "Minsk Watch Plant "Luch"" has launched new series of watch to support doctors who cope with COVID-19. It cost BYN 69 (about USD 28 ). All of benefit from selling this model is going to be donate to the charity fund of the country's Ministry of Health. On the clock-face, there is the engrave "My support for doctors, coping with COVID-19" in Belarusian. On the back, there are word of thanks in 17 language. 
(4月23日付ベラルーシ国営ベルタ通信、ニュースサイトTUT.BY
https://news.tut.by/society/682037.html
https://www.belta.by/society/view/vremja-pomogat-vyruchka-ot-novoj-serii-chasov-luch-pojdet-v-pomosch-belorusskim-medikam-388322-2020

4.23.2020

ロシア連邦における非常事態(ЧС)と厳戒体制(ЧП)の違い

平野高志さんからいただいていた宿題。まずはロシアから。

●対応するレベル
平時

警戒(повышенной готовность)

非常事態(чрезвычайная ситуация)

厳戒体制(чрезвычайное положение)

●警戒および非常事態(ЧС)の場合
当局は以下の措置を講じることができる。
- 非常事態(ЧС)発生地域への一般市民および交通機関の立入を禁止する
- 非常事態(ЧС)発生地域に所在する組織の活動が、その成員やその他の一般市民の安全な生活にとって脅威となる場合、当該組織の活動を停止させる
- その他の処置を、市民の権利や自由を制限しない範囲で講じる
- 非常事態(ЧС)の影響を最小化して終息させるため、必要な措置を講ずる
(詳細は2020年4月3日付連邦政府閣僚会議決定を参照)

●厳戒体制(ЧП)の場合
当局は、市民の権利や自由の制限を含むより強力な措置を講ずることができる。
例えば、国民の安全な場所への一時的な疎開や労働力の動員、公民の別なく組織の責任者の解任等を合法的に行うことができる。

非常事態(ЧС)への移行は連邦政府が、厳戒体制(ЧП)への移行は大統領が行う。
※2020年3月31日まで、警戒および非常事態(ЧС)への移行は地方自治体が行っていた。

●関連法規
- ロシア連邦憲法第56条および同第81条
- 1994年12月21日付連邦法第68-FZ号「自然災害および人災による非常事態からの一般市民と領土の防護について」(Федеральный закон от 21.12.1994 № 68-ФЗ «О защите населения и территорий от чрезвычайных ситуаций природного и техногенного характера» (в ред. от 03.07.2019))
- 2001年5月30日付憲法的連邦法第3-FKZ号「厳戒体制について」(«О чрезвычайном положении»
Федеральный конституционный закон , от 30.05.2001 г. № 3-ФКЗ)

●ロシア連邦憲法の抜粋
Статья 56
1. В условиях чрезвычайного положения для обеспечения безопасности граждан и защиты конституционного строя в соответствии с федеральным конституционным законом могут устанавливаться отдельные ограничения прав и свобод с указанием пределов и срока их действия.
2. Чрезвычайное положение на всей территории Российской Федерации и в ее отдельных местностях может вводиться при наличии обстоятельств и в порядке,3 установленных федеральным конституционным законом.
3. Не подлежат ограничению права и свободы, предусмотренные статьями 20, 21, 23 (часть 1), 24, 28, 34 (часть 1), 40 (часть 1), 46 - 54 Конституции Российской Федерации.
第56条
第1項 厳戒体制の状況下においては、国民の安全を確保し、立憲体制を保護するため、憲法的連邦法に従って、権利や自由の一部制限が制定されることがあり得る。(その場合、制限の)効力の範囲と期限は指定される。
第2項 ロシア連邦全土およびその一部地域における厳戒体制は、しかるべき状況がある場合、憲法的連邦法の定める手順により発令される。
第3項 ロシア連邦憲法第20条、第21条、第23条第1項、第24条、第28条、第34条第1項、第40条第1項、第46条から54条に定められている権利および自由は、本制限の対象とはならない。

Статья 88
Президент Российской Федерации при обстоятельствах и в порядке, предусмотренных федеральным конституционным законом, вводит на территории Российской Федерации или в отдельных ее местностях чрезвычайное положение с незамедлительным сообщением об этом Совету Федерации и Государственной Думе.
第88条
ロシア連邦大統領は状況により、憲法的連邦法の定める手順により、ロシア連邦の全土ないしその一部地域において厳戒体制を発令する。(その場合、大統領は)連邦院および国家院にその旨を遅滞なく通報する。

●参考リンク
https://tass.ru/info/8157289
https://www.interfax.ru/chto-takoe-chs-chp-samoizolyacziya-i-karantin.html
https://www.mchs.gov.ru/dokumenty/794

日本でベラルーシの亜麻(リネン)製品が買えます!

3月18日、東京都三鷹市の「リネンのお店 かどや」でオープニングセレモニーが開催され、イエシン駐日ベラルーシ大使も出席。
お店の運営母体である株式会社エヌ・ビー・アールは、ベラルーシの繊維メーカー「オルシャ亜麻製品コンビナート(Orsha Linen Mill)」の亜麻製品等を輸入しており、2019年12月からは石川県で、ベラルーシの亜麻布からマスクを製作している。古澤社長は、「ベラルーシのリネンは肌触りが良く、毎日使うのに最適。繊維自体に抗菌性があり、他の素材よりも衛生的。洗濯にも強く、繰り返し使うのに向いている」と語る。同社長は、日本でもCOVID-19の感染拡大を受けて自宅で過ごす人やマスクを自作する人が増えているとした上で、「ベラルーシの亜麻布は天然素材なので、敏感肌の人が着用するのにぴったりだ」とも述べた。
ベラルーシの亜麻布を使ったテーブルウェアや衣類も人気が高い。同社は様々な店への卸の他、アマゾンや楽天市場でも亜麻製品を販売している。

4月23日付ベラルーシ国営ベルタ通信
https://eng.belta.by/society/view/japan-makes-face-masks-from-belarusian-linen-130011-2020/

Cadeau屋 リネンのお店 かどや
https://www.cadeauya.jp/
https://www.facebook.com/cadeauya/

株式会社エヌ・ビー・アール
https://www.nbr.jp/

オルシャ亜麻製品コンビナート(Orsha Linen Mill)
https://linenmill.by/en/

4.22.2020

新型コロナウイルス人工説否定に関する記事:「軍事研究」2020年5月号

1 「軍事研究」誌上でのウイルス人工説の否定記事
(1) 「軍事研究」2020年5月号の巻頭に、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が「ウイルス感染より恐い「中国陰謀論」の拡散」と題する記事を寄稿されています。
(2) このほど、友人と話していてこの(黒井氏の)記事の話題になり、要約する機会を得られました(めちゃめちゃ端折ってます)。

1 黒井氏の記事の流れ
(1) コロナウイルスは生物兵器として使い勝手が悪い(黒井氏は村上和巳氏とともに「生物兵器テロ」宝島社新書、2012年を執筆)。「米国疾病管理センター(CDC)」の生物兵器使用危険度リストに、コロナウイルスは入っていない。
(2) 1月23日付の英「デイリーメール」で本件が扱われたが、武漢病毒研究所からの流出を可能性の一つとして示しているのみだった。1月24日以降、米「ワシントン・タイムズ」が本件に関する記事を複数発表するも、そのいずれにおいても「とくに根拠となる具体的な情報はない」旨明記。1月29日付で米「ワシントン・ポスト」および「フォーリン・ポリシー」が本件を否定する内容の記事を発表。
(3) 1月31日、デリー大学およびインド理工学院の研究グループが人工ウイルス説の論文を公開。しかし、発表した場所(bioRxiv)がそもそも査読前のものを投稿する場であったこと、内外の研究者におる検証を経て疑義が噴出したことから、この論文は公開から2日で撤回された(後述)。
(4) このような議論に、亡命中国人や法輪功系のサイトなどの反中プロパガンダが乗じようとしたものの、検証サイト「ファクトチェックORG」や科学分野での検証機構「サイエンス・フィードバック」などで反論がなされてきた。2月19日、医学誌「ランセット」に、高名なウイルス研究者や公衆衛生専門家27人が共同声明を発出。同声明では、中国の研究者は医療担当者を支援することが宣言されるとともに、新型コロナウイルスは自然由来であることが明言されている。

2 インドから論文が出て、2日で取り下げられた顛末
(1) 撤回された論文の要旨
ア 新型コロナウイルスには、SARSウイルスにない4つの新しい遺伝子配列が挿入されている
イ その配列はHIV(エイズウイルス)と共通する
ウ こうした配列は、自然に起こる現象とは考えにくい
(2) 反証
ア これらの配列は極めて短く、HIVに限らず、多くの種類に見られる
イ 他の最も近いコロナウイルスからも1000以上もの大量の断片的な遺伝物質の変異があり、そのような操作は人工的に不可能
ウ 遺伝子改変に使用する酵素の痕跡がない(→遺伝子操作の痕跡がない)

検証:ノーベル賞受賞の仏ウイルス学者「コロナは武漢研究所の人工操作」発言をどうみるべきか(4月22日ヤフーニュース)
https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20200422-00174202/?fbclid=IwAR0Mj0v8c9XO7xyQmuP-aOTmomLMXwLOEPl8jBBTgpfLTVsS9OiGoamTAxk

インドから出た研究
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.01.30.927871v1.full.pdf?fbclid=IwAR2PMfSOltUtYT9zQrNmZBl33UFRd-NOWSCwCLK2av-k_51qRqilcg_2lwk
(小山雅徳さん提供)