5.02.2020

ベラルーシ情勢(COVID-19を巡る対応に対する内外の評価:シンクタンクBelarus Security Projectアンドレイ・ポロトニコフ代表)

1 他国のベラルーシに対する見方について
(1)ベラルーシは今や、地政学的な点で取っ手のないスーツケースのよう。ロシアにとって持ち運ぶのは大変ながら、今捨ててしまうのはまだ惜しい。
(2)中国はベラルーシに関心なし。
(3)西側にとって重要な点は一つだけ:介入が必要になる問題がベラルーシから生じないこと。

2 ルカシェンコ大統領のCOVID-19への対応
(1)ルカシェンコ大統領は、人間を経済のための消費財として見ており、人間は経済そのものであるということを未だに理解していない。
(2)同大統領は、かつては単なる独裁者として見られていたが、事実や科学的な結論に基かない、明らかに間違っている自らの見方のために、何百万人もの人の命や健康を危険にさらしていることから、今や為政者として全く不適格と認識されている。このような人間と話し合って合意などできない。同大統領は、将来において外交を行うための可能性を自ら切り捨ててしまっている。同大統領のCOVID-19への対応は、ロシアとも西側とも、厳格な隔離措置を講じた中国とも相反するものであるため、あらゆる方面での外交の見通しが厳しいものとなっている。

3 軍事パレードについて
(1)パレードが実施される可能性は9割以上。同大統領は舞い上がってしまっており、客観的な現実へと引き戻せる者は、周りに誰もいない。
(2)COVID-19への対応を巡り、ベラルーシ国内において同大統領の評判は悪くなっている。今や世界においても、強権的だが成果を出し、ロシアと渡り合うことのできる独裁者というイメージが崩れ、現実を見ていない変わり者の為政者というイメージが強くなっている。
(4月29日付ニュースサイトNaviny.by(ベラパン通信)の論評記事からの要約)

https://naviny.by/article/20200429/1588175229-vyzov-miru-korona-grozit-sokrushit-vneshnepoliticheskiy-imidzh

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